免疫力を存分に発揮させる灸
手首のガングリオン(良性腫瘍)がお灸で見事に消えてしまいました。なぜでしょう?
それはお灸が極小の火傷(ヤケド)だからです。そう、ぶっちゃまけた話、わざと火傷をつくる療法なのです。そのため、お灸が虐待だと誤解され、かつてGHQによって禁止されたことさえありました。
もちろん同じ火傷といっても、たばこの火を押し付けて作る火傷と、お灸の火傷はまるで違います。灸のもぐさが作る火傷は自然界ではありえない極小で極浅の火傷。直径1~2ミリの小さなホクロ程度で、表面の角質にとどまって真皮には至らない火傷です。体にはなんの害もありません。痕も消えます。
それでも火傷は火傷。
お灸でも体は火傷と判断して「火傷反応」を起こしてくれます。お灸をすえた場所に免疫細胞·物質を大量に送り込みます。でもお灸の火傷は極小。火傷の後始末にはほんの少しで足りてしまいますから、送り込まれた免疫細胞の大半は付近の正常ではない細胞や細菌、ウィルスを始末するのに使われることになるのです。写真の良性腫瘍は、お灸をすえたことによって大量に送り込まれた自身の免疫細胞によって取り除かれてしまったわけです。
このようにお灸は病んでいるところに的確に免疫細胞·物質を誘導することによって病状を治すことができる合理的な刺激療法と言えましょう。また、一瞬の熱刺激による血管の収縮·拡張作用を使って血流障害にも対応できます。